お茶を身近に楽しむ

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「いざ鎌倉!」鉢木炉縁

もともとネット系茶人仲間として知り合いだった、
岩渕祐二さんに鉢木炉縁をつくってもらいました。

”鉢木”は 「いざ鎌倉!」のエピソードで有名な 能の一曲 です。

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鉢木(はちのき) 能曲 伝観阿弥世阿弥

人形浄瑠璃、歌舞伎になったり、尋常小学校教科書にも掲載

大雪の夕、群馬郊外のぼろ家に、旅の僧が宿を所望。住人は武士・佐野源左衛門尉常世、かつて所領持ちも今は没落。薪が無くなれば、自慢だった松・梅・桜の盆栽を火にくべた。鎧、薙刀、馬だけは残してあり、「いざ鎌倉」なら、鎌倉に駆け付け、命がけで戦うと語る。
翌年春、鎌倉からの緊急召集に駆けつけると、北条時頼(=雪夜の僧)に恩賞を与えられた。

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本歌は玄々斎好みの炉縁で、皮目を残した松材に、胡粉で梅と桜の花を描いてあるものでした。


胡粉は経年劣化や熱履歴に弱いので)
花を銀蒔絵で描き、天面に黒漆に塗り、使いやすくアレンジしてもらいました。

作者・塗師の岩渕祐二さんは鈴木表朔のお弟子さんで、
日展入選歴もある実力者です。(こだわりの職人)

昨年は 淡交10月号増刊 薄茶器図鑑 に、
記事やインタビューを載せてられました。

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岩渕さんご夫婦とわたしら夫婦は20年以上前からそれぞれ別々に知り合いでして、
滋賀の自宅にも遊びに来てくださいましたし、京都の工房へ遊びに伺ったりします。

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7年前 はじめて市民茶会を掛けたときに使いました。

その席中では 
茶会初陣に”いざ鎌倉!と 粗末な道具で駆けつけた”と
(ごく表面的な)説明をしました )   

実はその鉢木のお話にちなみ、もっと深い趣向があったのですが、
そのことはいまだに誰にも伝えておりません。

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映りこんでいる”釜”の方もお伝えしたこと いろいろ ありますが、
またあらためて。